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伝統と最新技術の融合で、展示と保存の両立を追求 MOA美術館

2017年2月5日、静岡県熱海市にあるMOA美術館が約11ヶ月におよぶ改修工事を経てリニューアルオープンした。1982年に開館した同館は、国宝3点、重要文化財66点、重要美術品46点を含む約3500点のコレクションを誇る。分野は絵画や書跡、工芸、彫刻など多岐にわたり、国宝の尾形光琳筆「紅白梅図屛風」や野々村仁清作の「色絵藤花文茶壺」、古来の名筆家の筆跡が収録されている手鑑 「翰墨城」など、保存状態が良く、しかもその分野の美術史を語るうえで欠かせない重要な作品をそろえているのが特徴だ。

今回のリニューアルは開館から年月が経ち、空調や電気設備の更新が必要になったことがきっかけだが、同時に作品をよりよい環境で鑑賞できるようにロビーエリアや6室ある展示空間が新装された。基本設計・デザイン監修を手掛けたのは、現代美術作家の杉本博司氏と建築家の榊田倫之氏が主宰する新素材研究所、実施設計は竹中工務店で、展示ケースの製作を担当したのはコクヨである。創立者の美意識を継承し、「美術品がもっとも美しく映える空間」をめざして、最新鋭の技術が注ぎ込まれた。

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