ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.31 > 創業者ゆかりの地で、新たな歴史を刻む 出光美術館 門司

創業者ゆかりの地で、新たな歴史を刻む 出光美術館 門司

かつて日本三大貿易港の一つとして栄華を極めた福岡県北九州市門司港。明治から大正にかけて作られた趣のある建物が今も残り、現在では「門司港レトロ」として商業施設やホテルなどが整備され、多くの人でにぎわう一大観光スポットとなっている。その一角にある出光美術館 門司が、約1年半の改築工事を経て2016年10月28日にリニューアルオープンした。

出光美術館は、出光興産の創業者の出光佐三氏が70余年の歳月をかけて集めた日本と中国の書画や陶磁器を公開するために、1966年に東京・丸の内の帝劇ビル6階に開館。佐三氏の没後も美術館として収集を続け、中国の陶磁器史や日本の美術史を概観できるバランスのとれたコレクションが特徴である。一時は大阪市と福岡市にも分館を設けており、出光美術館 門司は、2000年に創業者ゆかりの地である門司港レトロ地区の出光の倉庫跡を改装し、福岡分館(福岡出光美術館)を移転する形で開館した美術館である。開館から15年が経過した2015年春に、かねてより懸案だった耐震化や展示環境の改善を図るため全面改築に着手。2016年秋、展示スペースを拡張し、鉄筋3階建ての建物に生まれ変わった。

  • Back
  • 01
  • 02
  • 03

↑ページの先頭へ