ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.20 > 京都の歴史と文化を発信し、後世へ引き継ぐために 京都府京都文化博物館

2階総合展示室 京のまつり「祇園祭-北観音山の名宝-」

全館を休館してのリニューアル工事期間は7ヶ月。京都文化博物館は京都の街の中心にあり、多くの人が集まる人気スポット。集客施設として地域の期待も高く、閉館期間を可能な限り短くしなければならない。こうしたことから、1Fエントランスや3Fフィルムシアターなど展示室以外の改修を伴う規模としては、かなり工期が短い。また、完工後すぐにオープンがせまり、指定文化財の展示も決まっていたため、建材から放出するアンモニアやホルムアルデヒド、ギ酸など、資料を傷める恐れのある有害物質の影響が懸念された。

そこで、京都文化博物館では、東京文化財研究所やコクヨファニチャーなどと協議し、有害物質への対策をとりながら工事を進めた。展示ケースについては、内装の合板にあらかじめ良く乾燥させて有害物質の放出を最小限に抑えたシーズニングボードを使用。合板にかけるクロスは、新たに開発した有害物質を放出しないものを使用した。さらに工事期間中は24時間換気をおこない、展示室内および展示ケース内の空気環境の清浄化に努めた。施工中や完工後に展示ケース内の空気環境の測定をおこなったが、結果はすべて良好。無事オープンの日を迎えることができた。

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