ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.31 > 創業者ゆかりの地で、新たな歴史を刻む 出光美術館 門司

リニューアル後の出光美術館 門司の展示室は、2階と3階に配置され、2階展示室には3面の壁に壁面展示ケースが設けられている。それぞれの壁面展示ケースの長さは、20.5m、9.5m、14mで、延べにして約44m。掛物や屏風、陶芸・工芸などの多彩なコレクションをバランスよく展示できるように、一部で背面壁が前後に可動する機構を備えた壁面展示ケースを導入するなど、各部の寸法が設定されている。

展示替えの際の壁面展示ケースのガラス扉は、両端に2か所(背面壁が可動するタイプは1か所)で、扉を閉めたときにガラス面に段差ができない「内開きフラット扉」を採用している。

「内開きフラット扉」の最大の特徴は、ガラスの外側に下部照明が配置されるため、展示ケース内に照明器具のサッシ枠などがなく、非常にシンプルな展示床面となり、ガラスの存在を感じさせない意匠が実現したことだ。また、ガラス外側の下部照明の光源は、鑑賞者からまったく見えないところに隠されながら、背面を適正にライティングできる。

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