ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.34 > 地鉄や刃文を際だたせるための照明と展示ケースの妙 刀剣博物館

日本刀は主に「姿」「地鉄(じがね)」「刃文(はもん)」が鑑賞の対象とされる。このうち、「地鉄」はベース照明による面照明で浮かび上がらせ、「刃文」はスポット照明で際立たせる。

そのため、壁面展示ケースで日本刀を展示する際には、ケース内の上部ライン照明をベース照明としながら、日本刀専用のスポット照明をケース外部から当てている。スポット照明の色温度はやや赤味がかった3,000K(ケルビン)を採用。前述したとおり、鑑賞の障害にはならないよう、垂れ壁の裏側に設置して視野に入らないようにしている。

なお、日本刀以外の甲冑などを展示するために、大きい方のケース内の照明は上部だけでなく下部にもライン照明があり、また、補助的にケース内にもスポット照明を備えている。ライン照明は2700 Kから4000Kの幅で無段階に調色できる。

ガラスは映り込みを抑えるために、高透過低反射合わせガラスを採用。壁面展示ケース内の床と背面には、日本刀の金属感が映えるように、濃紺色のクロスを敷いている。

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