ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.14 > 美の、研ぎ澄まされた舞台 サントリー美術館

展示ケース

5面ガラスの展示ケースは、ガラスのエッジを0.5mm以下で合わせ、角をきっちりと立たせることでシャープな美しさを追求した。ガラスとアルミパネルの継ぎ目も段差がなく、シンプルな箱といった印象。免震装置や美術品を出し入れする際の操作部などのメカニカルな要素は、日ごろ展示ケースを扱い慣れている専門家が見ても、「どんな構造になっているかわからない」という言うほど見事に隠されている。

1961年の創設当初から「生活の中の美」をテーマに掲げ、日本美術を中心に作品収集・展示会活動をおこなってきたサントリー美術館。作品を置く空間も、日本の伝統美や和を感じさせるものになっている。館の全体設計は隈研吾氏。東京ミッドタウンへの移転プロジェクトの開始から今年3月の開館まで、学芸員、設計事務所、コクヨなど関係者が毎週集まり、それぞれの立場で最高の美術館をめざした結果、美術関係者からも高く評価される美術館が誕生した。六本木という場所柄、外国人ゲストも多いが、日本の美に「ゴージャス!」とため息を漏らすという。

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