ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.32 > 柔らかな光に包まれて 仏像が穏やかに浮かび上がる。 上原美術館

最後の展示室には、正面奥に来館者を迎え入れるかのように、阿弥陀三尊像が置かれている。伊豆の旧吉田寺で見出され、当時の上原仏教美術館の調査を通して文化財としての高い価値が認められたものだ。修復後、静岡県指定の文化財となり、当館に寄託された。左右の壁面展示ケースにも平安時代や鎌倉時代の仏像、奈良時代の古写経などが展示されている。

壁面展示ケース内の照明はケース内だけを照らし、ケース外に漏れ出ないように配慮しているため、展示品の正面間近に立っても、鑑賞者自身のガラスへの写り込みはほとんどない。それに加えて、展示ケース内と展示室内の照明をうまくバランスさせることで、対面にある壁面展示ケースの光の写り込みもほとんど気にならず、鑑賞者は集中して展示品に向き合うことができる。

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