ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.29 > 既存の建物を継承しながら、新たな展示環境を創出 春日大社国宝殿

小展示室の壁面展示ケースは、刀剣を展示するために展示ケースの上下の壁の高さを調整している。刀剣に興味のある人は、顔を近づけて刃文(はもん)などの細かいところを鑑賞する人が多いため、落ち着いて鑑賞できるように展示ケースの前には肘を置ける手すりを設けている。また、低反射ガラスを採用しているため、映り込みがほとんどなく、まるでガラスがないかのように錯覚することもある。

右下の写真は、国宝の菱作打刀(ひしづくりうちがたな)。刀身は平安時代のもので、拵(こしらえ)は南北朝時代のもの。春日大社国宝殿の刀剣類は、神社に奉納されたものであるため、装飾が華麗で、刀身は研ぎ減りの見られない生(うぶ)な状態のものが多く、非常に貴重だという。

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