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既存の壁面展示ケースを大幅に改修し、展示環境を格段に機能アップ

泉屋博古館は、住友家のコレクションを保存公開するため、1960年に京都の鹿ケ谷に開設された。所蔵品の中心は、住友家15代当主・住友吉左衞門友純によって明治時代中頃から大正時代にかけて集められたもの。中国古代青銅器をはじめ、中国・日本書画、西洋絵画、近代陶磁器、茶道具、文房具、能面・能装束など幅広く、国宝2件、重文19件、重要美術品60件を含め3,500件の所蔵品を誇る。

2002年には、東京の住友家旧麻布別邸跡地に、今回紹介する泉屋博古館分館が開設された。同分館は2021年に泉屋博古館東京と改称され、開設20年目にあたる2022年3月に全面的にリニューアルオープンした。

リニューアル後の展示室は全部で4室。元からあったものを改修した第1展示室と第3展示室、増築した第2展示室と第4展示室である。上の写真は改修した第1展示室。展示室をコの字に囲むようにあった壁面展示ケースの右手の1面を取り払い、2面をL字型に残した。その際、躯体と開閉機構とガラスの一部だけを残し、照明、背面・床面のクロスなどをすべて入れ替えることで、展示環境を大幅に機能アップした。

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