ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.28 > 地鉄の模様と刃文が浮かび上がる瞬間をとらえる。森記念秋水美術館

展示ケースのサイズや内装も、日本刀を展示するのにもっとも適したものが追求された。展示されている日本刀に目を近づけて鑑賞するのにちょうどいい高さ、日本刀が収まるのにちょうどいい奥行きが実現できたのも、専門美術館の有利な点である。

内装を濃紺色にしたのも検討を重ねた結果だ。一般的に、美術館の展示ケースの内装はグレーや白などの無彩色が多いが、照明を当てたときに意外に白っぽく光ってしまう。その状態を背景にして、日本刀の輝きを鑑賞すると目が疲れてしまうので、反射を抑えつつ目に優しい濃紺色を選択した。

上の写真は、平安末期の「備前国包平作」。平安時代の後期くらいから鎌倉時代初期の古備前に分類されるが、6文字の長銘に切られた包平の作品は希少である。

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