ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.28 > 地鉄の模様と刃文が浮かび上がる瞬間をとらえる。森記念秋水美術館

写真は、重要文化財の「真守造」。

古い時代の名刀は長いものが多いが、江戸時代になると、日本刀の長さが2尺3寸5分(約70cm)程度に規制されるようになり、名刀を身につけたい武士は磨上(すりあげ)と言って短く仕立て直すようになった。切っ先を切り落とすことはできないので、茎(なかご)という柄に入れる持ち手の部分を切り落として2尺3寸5分程度の長さに切断したのである。そのため、大名家に伝来するような優品では、作られたときのままの「完存品」(完全な形で存在する品という意味)はあまり多くは残っていない。愛好者にしてみれば、もったいない話だ。「真守造」は、その中にあって、貴重な「完存品」である。

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