ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.36 > 地鉄や刃文を際だたせるための照明と展示ケースの妙 静岡県立美術館

壁面展示ケースのリニューアルは、展示室1から展示室7まですべての展示室で行われ、展示ケースの幅をトータルすると、全長約250mにも及ぶ大規模なリニューアルとなった。

照明はそれまでの蛍光灯から最新のLED照明に入れ替えられ、壁面展示ケース内の天井に3列のライン照明が設置された。蛍光灯のぼんやりとした光からLED照明のフラットな光に替わったことで、作品のディテールまでが非常にクリアに見えるようになり、来館者が作品を鑑賞する環境は格段に向上した。

また、3列とも個別に無段階で調光・調色(2,700K~4,000K)でき、様々なタイプの作品にあわせて適切なライティングを設定できるようになった。必要に応じてスポットライトを組み合わせ、作品をいっそう引き立たせることができる。

今回採用された最新LED照明のもう一つの大きな特長は、従来のLED照明にも増して指向性が向上したことだ。照射範囲をより正確に選択できるようになり、それを3列組み合わせることで、展示ケース内は、入隅などのごく一部を除き、背面と床面のどこを測定してもほぼ一律の照度が得られるようになった。

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