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HOME > ミュージアムレポート > VOL.38 > 静寂したほの暗い空間に御神宝が浮かび上がる。 宗像大社神宝館

静寂したほの暗い空間に御神宝が浮かび上がる。

8万点もの国宝の所蔵を誇る宗像大社神宝館は、2013年、来館者が展示品に集中して、本来のすばらしさを楽しめるよう、スポット照明による展示環境へと大幅にリニューアルした。その際には、展示品ができるだけ自然光のもとで見た状態に近づけるために、LEDの高い演色性が追求された。その結果、LEDのスポット照明に照らし出された展示品は、まるで手に取れるかのように鑑賞者に迫ってくる。

2018年の夏から暮れにかけて、6台の最新の展示ケースを導入した際にも、この展示環境を踏襲するために、照明は徹底的にこだわり抜かれた。展示ケース下部のスポット照明は、展示品の細部だけを照射できるようにズーム機能を搭載。展示ケース上部のベース照明は調色・調光機能を備え、また、高い精度で照射範囲を制御しているため、展示ケース内の床面だけを照らし、ほとんど光が外に漏れない。それに加えて、ガラス面にはすべて低反射フィルムを貼ることで、鑑賞者自身のガラスへの映り込み、光源のまぶしさ、鑑賞を妨げる邪魔な影が、ほとんど排除できている。また、展示ケース自体も、極力存在が目立たないように、シンプルなフォルムを極めている。

上の写真は、右手前が900mm角の行灯型独立展示ケース、左手奥が少し大型の1,100mm角の行灯型独立展示ケース。

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