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左の写真が、行灯型独立展示ケースの全体フォルムである。前述したとおり、ケース内の照明は、上部のベース照明のほか、上部4隅のスポット照明、床面手前2隅のスポット照明。展示ケース上部の照明ボックスの厚みが、非常に薄いことも見てとれる。

展示されている国宝の金銅製龍頭一対は、ベース照明だけでは口元の牙の部分や表面に刻まれているうねりの形状が影になるため、スポット照明が必須である。

また従来、上部のベース照明の光が出る開口面は、ルーバーを効果的に取り付けても、わずかに明るい筋ができるなど、ある程度のムラは避けられなかった。しかし、ここ神宝館に導入された展示ケースでは、写真に見るとおり、ほとんど光は漏れず、まったくムラもない。ベース照明を面状に発光させることで実現した、同館の展示ケースの大きな特長である。