ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.39 > 細部の美しさを際立たせる照明と展示の最新技術 明治神宮ミュージアム

宝物展示室の中央、御尊影の正面に展示されている、明治22年の憲法発布式の日に明治天皇がお乗りになった六頭曳儀装車。展示ケースに収めず、オープン展示されているため、その迫力が鑑賞者に直に伝わってくる。ただし、来館者がうっかりと手で触れてしまうことのないように、四方が高さ1,500mmのガラスフェンスに囲われている。

この六頭曳儀装車は、宝物殿にあったときからオープン展示されていたが、明治神宮ミュージアムに移転する機会に、専門会社の手によって修復とクリーニングが行われ、真鍮製の鳳凰や屋根の装飾が本来の美しい輝きを取り戻した。

その美しさを引き出す照明には、ヴォールト天井に設置された室内照明が使われている。その際、馬車の影がきつく出ないように、指向性の強いLEDの光をやわらかい光に変える工夫や、展示室全体が明るくなりすぎないように、ガラスフェンスの内側だけがライティングされるよう、照射範囲をコントロールしている。

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