ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.44 > 斬新な「半島ケース」で奉納刀ならではの精神性を表現 熱田神宮「剣の宝庫 草薙館」

地鉄の模様や刃文、映りなど、日本刀がもつ魅力を存分に見せるためには、照明が大きなポイントとなる。今回は、外打ちのスポットライトと、展示ケース内の床面に設置したスポットライトを組み合わせた。外打ちの2つのライトは、天井から吊り下げられたしめ縄の房のなかに収められ、房を上下することによって高さを調節。刀剣の種類やサイズに合わせて、ライトの首をそれぞれ振って照射角度を変えることができる。上の写真では、スポットライトのありかがわかるよう、ローアングルで撮影しているが、器具も光も房にすっぽりと隠され、観賞者の目には触れない。

刀は刃を上向きに展示するので、照明は外打ちのスポットライトだけで可能だが、刃を下向きに展示する太刀の場合は、ケース内のスポットライトで下からも照射する(写真は3つ使用した場合)。

刀剣の展示には白布などを用いることが多いが、草薙館では透明アクリル板の刀掛けを採用した。薄暗い館内に輝く刀身は、宙にぽっかりと浮きあがり、おのずから光を放っているように見える。

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