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HOME > ミュージアムレポート > VOL.44 > 斬新な「半島ケース」で奉納刀ならではの精神性を表現 熱田神宮「剣の宝庫 草薙館」

刀剣にまつわる絵画や巻物、文書史料は紫外線に弱いため、外光の入らない一番奥の展示室の壁面展示ケースで紹介されている。この場所は建物の一番端の軒が落ちている下にあたり、天井が低かったため、高さのある掛け軸やなぎなたを展示できるように、照明機材などを左半分に寄せて、右半分の天井高を確保した。また、そのために開口部も内開き方式を採用するなど工夫を凝らした。

ほかにも、体験コーナーでは、本物の刀と脇指、実物と同じ重量でつくった真柄太刀二口レプリカを手に取ることができ、刀剣の鍛造工程解説コーナー、「草薙神剣」にまつわる神話を紹介する映像コーナーも設けられている。体験コーナーのある板床は、刀を使った演武を行うことを想定し、舞台としても利用できるという。

昨今の刀剣ブームにのって訪れた来館者からは、「2次元のあこがれの対象だった刀剣が、ぐっと身近に迫り、本格的に興味をかきたてられた」という声も聞かれる。神に捧げられた奉納刀ならではの魅力を余すところなく見せ、伝統ある刀剣文化に触れられる唯一無二のスポットとなっている。

Museum data
〒456-8585 名古屋市熱田区神宮1丁目1番1号
熱田神宮「剣の宝庫 草薙館」
ウェブサイト https://www.atsutajingu.or.jp/kusanagi/

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