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真上から差し込むスポットライトで浮かび上がる曜変天目の小宇宙

2022年10月、静嘉堂文庫美術館はギャラリー部門を東京・丸の内に移転・開館した。静嘉堂文庫の創設者岩﨑彌之助(1851~1908)は、茫々たる荒れ野だった丸の内の開発プランを練るなかで、近代的なオフィス街にミュージアムをつくりたいという思いを抱いた。実現しなかったその夢を130年ぶりに叶えるかたちで、都心のアートスポット「静嘉堂@丸の内」が誕生した。

移転先の明治生命館(昭和9年竣工)は、昭和期の建造物として初の重要文化財となった古典主義様式の建物で、日本を代表する近代洋風建築である。新館の4つの展示室は、広いガラス天井のホワイエを中心に構成されている。最新鋭の展示ケースと照明設備をそろえ、展示室面積は1.5倍以上になった。国宝7件、重要文化財84件を含む、約6500件の東洋古美術品が、折々のテーマに沿って展示され、ハイクオリティな環境のもと鑑賞できる。

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