ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.48 > 栃木市ゆかりの作品が並ぶ、地域に根差した鑑賞の世界 栃木市立美術館

写真は、壁面展示ケースに展示された橋本邦助の「春秋花鳥図」。橋本も地元、栃木市出身の画家である。

この作品は、秋と春の二つの季節をそれぞれ左右隻で描き分け、左隻では様々な品種の菊花を彩り良く配置して柿の木と無花果(いちじく)の木を描き、右隻では木蓮、椿、木瓜(ぼけ)、白梅の老木とそれらの根本にクマザサを描いている。左隻の柿の木には、羽毛を膨らませた2羽の小鳥がとまり、深まりゆく秋の秋の空気の冷たさが感じられる。

壁面展示ケースの照明は、上部がライン照明3本、下部がライン照明1本、いずれも調光・調色が可能である。調色の幅は、2,700K~5,000Kで、上の展示では4,000Kに設定。上部3本のライン照明で全体の照度の均斉度を高めながら、屏風の谷間にできる影を下部のライン照明で補光しており、全体的に影が少なく、低照度でも作品の細部まで見やすくなっている。また、高演色のLEDを採用しているため色の再現性も高い。

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