HOME > ミュージアムレポート > VOL.52 > 照明のコントローラ操作で作品の展示替えに円滑に対応 九州国立博物館
写真は小郡カンツリー倶楽部が長年収集し、九州国立博物館に寄贈されたコレクションを中心に展示する「小郡C.C.コレクション専用ケース」。江戸時代、長崎を通して海を渡り、ヨーロッパの宮殿を華やかに飾った古伊万里の貴重な伝世品を紹介している。
独立展示ケースとしては国内最大級(H=2850mm、W=3500mm、D=2500mm)の大きさにもかかわらず、金属のフレームを使わずガラスだけで構成されており、長手方向のガラスが両面開閉できるので、展示替えがしやすい。ガラスは、作品が見やすいよう、高透過・低反射合わせガラスを採用した。
上部照明はLEDのライン照明を縦横に配しており、それらを外部から個別にコントローラで調光調色できる。色温度は2700~5000K。一方、コクヨがオリジナル開発した世界最小クラスのスポットライトは(写真右下)、上部と床面の4辺に引かれたレール上の任意の位置に設置でき、支柱付きのタイプに交換することで高さも変えられる。低い支柱(300mm)と高い支柱(500mm)が2種類あり、支柱を使わない場合を含めて3パターンの高さが選べる。光の照射方向は上下方向に90度、左右方向に360度回転可能。写真右下の2つのスポットライトのうち、右側の少し長くなっているほうが照射角を絞った場合。スポットライトの色温度は3100Kで固定されているが、外部からタブレットで調光できる。