
HOME > ミュージアムレポート > VOL.55 > 着脱式パネルや個別照明で汎用性を高め書画・工芸など幅広い美術品に適応 泉屋博古館

住友家旧蔵の美術品を保存・公開するため、1960年に京都の東山に設立された泉屋博古館。1970年に住友グループの迎賓施設として現在の青銅器館が竣工して以来、住友家から数度にわたって寄贈を受けたコレクションは、中国古代青銅器を中心に、中国・日本書画、西洋絵画、陶磁器、茶道具、能面・能装束など、約3,500件(国宝2件、重要文化財19件を含む)に及ぶ。現在の建物ができてから半世紀余りを経て、文化財保存に適した環境を整えるため、約1年間をかけて改修工事を行い、2025年4月、リニューアルオープンした。
青銅器館では、アッパーライト付き5面ガラス行灯ケース、4面ガラスハイケース、傾斜型覗きケースなど計16台を導入。コクヨでも初めての試みとなったアッパーライト付き5面ガラス行灯ケース(上の写真)は、天面ガラスにベース照明をロの字配置し、展示品の形状に合わせて数・位置を調整可能なスポットライトを加えた。青銅器の緻密な文様や緑青がスポットライトで際立ち、世界最高峰と称されるコレクションの魅力を余すところなく伝える。