ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.45 > 展示ケースの工夫から生まれる人とモノとの親密な距離感 藤田美術館

国内外からの絶大な人気を誇る「曜変天目茶碗」。中国・南宋時代に福建省の建窯でつくられたとされる黒釉茶碗のうち、碗の内外に「曜変」と呼ばれる青や緑の斑紋と美しい光彩が生じたものを指す。

見込み(内側)の曜変は展示室天井の照明6灯で照射し、展示台の四隅に設けたズーム付きスポットライトで胴(外側)の斑紋を見せる。ズームを絞って照射された斑紋は、まるで小さな宇宙に浮かぶ星のような輝きを放っている。

現存する4碗の「曜変天目茶碗」のうち、藤田美術館が所蔵するのは、徳川家康から水戸徳川家に伝わったもの。1918(大正7)年に行われた同家の売立で、藤田平太郎が落札した。

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