ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.50 > 理想の環境で陶磁器を見せたい!高い理念が感じられる展示エリア 大阪市立東洋陶磁美術館

陶磁器は、照明の種類や質によって色合いや質感の見え方が左右されるため、一定の照度を保つ自然光のもとで鑑賞するのが良いとされる。中でも青磁は、「秋の晴れた日の午前10時ごろ、北向きの部屋で障子一枚へだてたほどの日の光で」見るのが望ましいといわれている。

「美術品としての陶磁器をできるだけ理想的な条件で鑑賞していただく」という理念を貫く大阪市立東洋陶磁美術館は、1982年の創立時すでに、世界初の試みとなる自然採光展示を実現させたことで知られる。室内の照明を落とし、天窓から光ダクトを通じて展示ケース内のみに自然光を導入するという画期的な方法により、やわらかで繊細な陽光を再現したのだ。

「天青無窮-安宅コレクション中国陶磁」と題されたこのエリアでは、「天青」と呼ばれる穏やかな薄青と洗練された姿かたちを特徴とする北宋時代の汝窯青磁をはじめとした中国の青磁の名品の美しさが、自然光のもとで味わえる。

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