HOME > ミュージアムレポート > VOL.50 > 理想の環境で陶磁器を見せたい!高い理念が感じられる展示エリア 大阪市立東洋陶磁美術館
陶磁専門美術館として理想の展示環境を追求する同館は、近年進化のめざましいLED照明で自然採光展示の鑑賞環境を再現する試みにも取り組んできた。今回のリニューアルでは、いま最も自然光に近いといわれる紫励起LEDを導入。普及している青色励起LEDより、自然光に近い特性の紫励起LEDによって、陶磁器本来の魅力が存分に引き出せるようになった。
展示台のクロスには、作品が美しく映えるアイボリーの特注スウェード生地、壁面・側面にはフェルトを採用しているが、「照明が変われば、これまで目立たなかったクロスのシミや汚れが目につく」とリニューアルに伴って一部クロスも張り替えた。展示ケースの前には、オリジナルの木製ひじ置き台が設置され、作品に目線を合わせ、じっくりと鑑賞できる。最上級のコレクションを来館者に最高の環境で見せたいという温かい配慮が随所に感じられる。