HOME > ミュージアムレポート > VOL.53 > 数々の新機軸を搭載した 累計197メートルもの壁面ケース 大阪市立美術館
大阪市立美術館は、建物の老朽化と大阪・関西万博を見据えて、開館以来、初めての大規模リニューアルを行った。国の登録有形文化財に指定されている建物外観を保全しながら、利用者目線でインフラを整備。地上階に新設したエントランスから2階中央ホールまでエスカレーターで繋ぎ、無料ゾーンにカフェやミュージアムショップを開設するなど、時流に即した「ひらかれたミュージアム」として生まれ変わった。
展示・収蔵環境も大幅にアップグレード。収蔵庫は従来の1.8倍に拡張し、展示ケースも刷新した。最新鋭の技術・設備によって、「ため息が出るほど美しい展示」を追求し、鑑賞者にストレスをかけない見せ方に心を砕いた。そして2年5ヵ月の工事を経て、2025年3月1日、リニューアルオープン記念展「What's New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!!」が開幕した。
上の写真は、今回大きくイメージチェンジした中央ホール。同館の名物だったシャンデリアを撤去すると、88年前の白漆喰の天井が出現し、その美しさが話題を呼んだ。