ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.53 > 数々の新機軸を搭載した 累計197メートルもの壁面ケース 大阪市立美術館

大地震に備えて、破損しやすい作品を安心して展示できる免震ケースを3ヵ所に設置。

通常は展示ケース内の床面に免震機構を持たせることが多いが、地震の揺れを吸収するために床面が前後左右にスライドするだけのスペースを確保しなければならず、展示物がガラス面から遠ざかり見にくくなる。そこで、展示ケースの土台部分に免震機構を内蔵し、ふだんは間近に展示物を見せつつ、いざというときはケースごと揺れて衝撃を吸収する仕組みとなっている。

リニューアルオープン記念特別展で展示されたのは、中国・日本の金工品や陶磁器。「青銅 饕餮文斝」(殷(商)時代・紀元前14-前11世紀、大阪市立美術館蔵、山口コレクション)は酒を温める器で、祭祀に用いられた。重要文化財の「銅 湯瓶」(鎌倉時代・13-14世紀、大阪市立美術館蔵、田万コレクション)は神仏へ水を献ずるための器。器形は、信貴山の朝護孫子寺に伝来した名器に由来して、信貴形と称される。

Museum data
〒543-0063 大阪市天王寺区茶臼山町1-82
大阪市立美術館
ウェブサイト https://www.osaka-art-museum.jp/

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