ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.53 > 数々の新機軸を搭載した 累計197メートルもの壁面ケース 大阪市立美術館

2階の第13展示室には、3mをゆうに超える曼荼羅図や書画などの大作も展示できる高さ5.5m超の大型壁面ケース(幅13.1m×奥行1.2m×高さ5.62m)を設置。第13展示室に足を踏み入れた途端、その大きさに圧倒される。

作品を展示する際には、電動バトンを下まで降ろして作品を取り付け、そのままモーターでゆっくりと上げていく仕組みである。電動バトンはコクヨでも初めてとなる試みだったため、巻き上げのスピードや照明の当たり具合など、試行錯誤を重ねた。

中央の2点は、明時代後期の文人画家・謝時臣(款)「湖堤春暁図」(右)と「巫峡雲濤図」。中国書画を中心とする阿部コレクションの中核をなす作品でありながら、3.5mにおよぶ大作のため、これまで展示が叶わなかった。今回、この国内最大級のケースが導入されたことから、めでたく初公開と相成った。展示プレートにも「ようやく展示できた~~!」とあり、担当学芸員の喜びようが伝わってくる。

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