
HOME > ミュージアムレポート > VOL.56 > 鑑賞と保存を高い水準で両立する、ハイスペックな展示ケース 横浜美術館
「今村紫紅展」(2026年4月25日~6月28日開催)の展示風景。右の作品は今村紫紅<平親王>(横浜美術館蔵)2025年2月8日、横浜美術館が大規模改修を終え、全館オープンした。
1989年の開館から35年。初の全館休館を伴う過去最大規模の改修は、建築家・丹下健三の設計による石造りの意匠を継承しつつ、耐震性・バリアフリー機能の向上と展示環境の改善を目的として3年にわたり進められた。
展示環境の大きな改善点の一つが、エアタイトケースの導入だ。あわせて、内装下地やクロスには有害物質を極力放出しないアーカイバル素材を採用。温湿度が安定し、有害物質もほとんど生じないため、重要文化財の展示公開に際して要されるケースの性能を定常的に満たすことができる。このほか、照明をLEDに入れ替え、低反射ガラスを採用したことで、作品が非常にクリアに鑑賞できるようになった。
2025年春には、横浜美術館リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」を開催。1万5,000点を超える所蔵品の中から、セザンヌや奈良美智などの作品を厳選し、さらに他の美術館・博物館や個人からの出品を加えて、美術を通して見える新しい横浜の歴史を描き出した。