
HOME > ミュージアムレポート > VOL.56 > 鑑賞と保存を高い水準で両立する、ハイスペックな展示ケース 横浜美術館
「今村紫紅展」展示風景小さい作品をあらゆる角度から鑑賞できる覗きケースも導入された。意匠面で重視したのは、空間に圧迫感を与えない構造だ。一般的な覗きケースではガラスの継ぎ目にフレームを設け、脚部をパネルで覆うことが多いが、この覗きケースはフレームをなくすとともに、両脇の脚部分のみで支えて足元が抜けるようにした。これにより、車いすをご利用の方でも作品を間近に鑑賞していただけるようになった。また、開放的な形とすることで見た目が重たくなるのを避けている。
機能面では、ガラスの開閉に電動式の昇降機構を搭載した。四隅の支柱に沿ってガラスが5面ともそのまま垂直に上がって開口状態となり、ガラスを降ろすと閉じる仕組みだ。跳ね上げ式のようにガラスが外側へ張り出さないため、ケースを壁際まで寄せて置いたまま作品を入れ替えることができる。設置場所を問わず、展示室を有効に使える点も特徴となっている。
こちらもエアタイト仕様で、外気や来館者の活動に伴う湿度変化、粉塵やガスなどの影響から作品を守る。
Museum data
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
横浜美術館
ウェブサイト https://yokohama.art.museum/
