ミュージアムレポート

HOME > ミュージアムレポート > VOL.56 > 鑑賞と保存を高い水準で両立する、ハイスペックな展示ケース 横浜美術館

「今村紫紅展」展示風景/独立ケース内の作品は今村紫紅<鞠聖図>(横浜美術館蔵)

2026年4月から6月まで開催された「没後110年 日本画の革命児 今村紫紅」展において、ギャラリー1に設置された独立型の大型ハイケース。ガラスは同様に低反射仕様である。

このケースの特徴は、ガラスの四隅に生じる黒い目地を隠すのではなく、本体上下のスチール部分と一体で黒に統一し、外観の一部として見せた点にある。構造上避けられない目地をスチール部分になじませるとともに、照明の配線が外から見えないよう、その目地の中に収めた。ガラスの納まりやスチール部分の見え方も吟味し、白を基調とした展示室の中でケースの輪郭が引き締まるよう仕上げている。

照明は上部のみで、ライン照明を4本配したほか、手前と奥にスポット照明をそれぞれ4か所設けている。4面ガラスで四方から作品を鑑賞できる一方、背面に床面と同じクロスで仕上げたパネルを差し込むことも可能で、片側から鑑賞するような展示にも対応。また、そのパネルにはピクチャーレールを取り付けており、掛軸作品や額作品の展示もできる。

展示室の白い壁と黒で統一した展示ケースとの対比によって、展示ケースと作品の輪郭が際立ち、空間全体にも明確なアクセントが生まれた。

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