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本館15室 歴史の記録

【本館15室 歴史の記録】

東京国立博物館には、江戸幕府から引き継がれた資料や、古い地図や写真、博物学研究のために精密に描かれた図譜など、歴史を物語る資料や作品が数多く伝来している。

以前は、これらを「歴史資料」として本館16室で展示していたが、今回のリニューアルで15室へ移し、「歴史の記録」としてタイトルも改めた。

古い地図や写真などの歴史資料は、より近くで細部までじっくり見たいものだ。しかし、従来の展示ケースは、幅広い作品の展示に応用できるように奥行きが1.2~1.5m程度あるものが多く、作品までの距離が遠かった。今回、導入された展示ケースは、展示替えのバリエーションを考慮した上で、より詳しく作品を見ることができるように、奥行きや展示面の高さが決められている。

写真右の壁際にある古写真用の展示ケースは、奥行きがわずか30cm。しかも、展示ケース内の写真は垂直に展示されているのではなく、上部をわずかに奥(壁側)へ傾けている。そうすることで、デリケートな古写真に対して、低いルクス数でも上からの光を作品面に効率よくあてることができる。

また、鑑賞者の影や展示ケース上部の細いフレームが作品に影を作らないようにするには、どこからどの角度で光をあてるのがベストなのか、図面段階で緻密に計算がおこなわれ、さらに実物大の模型を作って何度も繰り返し検証された。

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